2026年にエコキュートを設置する場合、国の「給湯省エネ2026事業」で1台あたり最大18万円の補助を受けられます。基本額7万円に、性能加算3万円、そして撤去加算が上乗せされる仕組みです。
注意したいのは期限です。申請できるのは遅くとも2026年12月31日までですが、予算の上限に達した時点で受付は終了します。2026年9月2日午前0時時点で、予算に対する申請額の割合は41%です。
- 補助額の内訳と、戸建は2台までという上限
- 締切の考え方と、予算の消化状況を自分で確認する方法
- 見落とされやすい条件(J-クレジットへの参加表明・施主支給は対象外)
結論|金額は撤去する機器で決まる。予算は41%消化
補助額の内訳
- 基本額:7万円/台
- 性能加算:3万円/台(性能加算要件を満たす場合)
- 撤去加算:電気温水器2万円/台、電気蓄熱暖房機4万円/台
ただし18万円は電気蓄熱暖房機を2台撤去する場合の金額です。多くの人に当てはまるのは、次の3パターンのいずれかです。
| あなたのケース | 撤去加算 | 合計 |
|---|---|---|
| エコキュートからの買い替え | なし | 10万円 |
| 電気温水器を撤去する | 2万円 | 12万円 |
| 電気蓄熱暖房機を撤去する | 4万円 | 14万円 |
| 電気蓄熱暖房機を2台撤去する | 8万円 | 18万円 |
ただしエコキュートからエコキュートへの交換では、撤去加算は使えません。加算の対象は電気温水器と電気蓄熱暖房機の撤去に限られます。
今の予算消化状況
公式サイトが毎日午前中に更新しています。2026年9月2日午前0時時点の数値は次のとおりです。
| 区分 | 消化率 | 予算 |
|---|---|---|
| 事業全体 | 41% | 570億円 |
| 撤去加算の枠 | 20% | 36億円(全体の内数) |
撤去加算は全体とは別枠で管理されており、こちらが先に上限へ達すると加算だけ終了します。出典:給湯省エネ2026事業 公式サイト(確認日:2026年9月2日)。
給湯省エネ2026事業とは
正式名称は「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」です。令和7年度補正予算で570億円が計上されています。
【表1】事業の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 予算 | 570億円(うち撤去加算に36億円を予定) |
| 対象 | 戸建・共同住宅を問わず高効率給湯器を設置する事業 |
| 申請区分 | 新築注文住宅/新築分譲住宅/既存住宅(リフォーム)/既存住宅(購入)/リース利用 |
| 申請者 | 登録を受けた給湯省エネ事業者 |
| 交付申請期間 | 受付開始〜予算上限(遅くとも2026年12月31日) |
| 予約期間 | 受付開始〜予算上限(遅くとも2026年11月16日) |
| 着工期間 | 2025年11月28日以降 |
対象になるのは誰か
既存住宅のリフォームで交換する場合、補助対象者は工事の発注者です。ただし買取再販事業者は対象外とされています。
また給湯省エネ2025事業で補助を受けた事業は対象外です。2025事業は2026年3月31日で終了しています。
補助額はいくらか
【表2】給湯器別の補助額
| 設置する給湯器 | 基本額 | 性能加算 |
|---|---|---|
| ヒートポンプ給湯機(エコキュート) | 7万円/台 | 3万円/台 |
| 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型(ハイブリッド) | 10万円/台 | 2万円/台 |
| 家庭用燃料電池(エネファーム) | 17万円/台 | 加算なし |

性能加算3万円の条件
基本の性能要件を満たす機種と比べてCO2排出量が5%以上少ないものが対象です。具体的には、2025年度の目標基準値(JIS C 9220の年間給湯保温効率または年間給湯効率)に0.2以上を上乗せした性能値を持つ機種とされています。
カタログの効率値だけで判断せず、補助対象製品として登録されているかを型番で確認してください。確認方法は後述します。
撤去加算の条件
| 撤去する機器 | 加算額 | 上限 |
|---|---|---|
| 電気蓄熱暖房機 | 4万円/台 | 2台まで |
| 電気温水器 | 2万円/台 | 基本額の補助を受ける台数まで |
条件が2つあります。2025年11月28日以降に撤去したものに限ること、そして給湯器の交付申請と同時に申請することです。あとから追加で申請することはできません。
エコキュートの撤去は加算の対象になりません。ここを取り違えている情報を見かけますが、公式サイトに明記されています。
戸建は2台まで、共同住宅は1台まで
補助上限は台数でも決まっています。戸建住宅はいずれか2台まで、共同住宅等は1台までです。二世帯住宅などで2台設置する場合は、上限まで受けられます。
いつまで申請できるか

もっとも多い質問ですが、日付の期限と予算の期限が別にあります。早く来るほうが締切です。
日付の期限と予算の期限
| 期限 | 注意点 | |
|---|---|---|
| 交付申請 | 遅くとも2026年12月31日 | 予算上限に達し次第、前倒しで終了 |
| 交付申請の予約 | 遅くとも2026年11月16日 | 同上 |
| 撤去加算 | — | 撤去加算の枠が先に埋まると加算のみ終了 |
公式サイトは「締切は予算上限に応じて公表します」としています。12月31日まで待てるとは考えないほうが安全です。
予算の消化状況を自分で確認する
給湯省エネ2026事業の公式サイトのトップページに、予算に対する補助金申請額の割合が数値とグラフで掲載されています。毎日午前中に更新されるため、検討している時点の最新値を自分で確認できます。
表示されているのは、交付申請と予約が提出された総額(審査中を含む)の割合です。却下・取り下げ分は含まれません。
2026年9月2日午前0時時点では事業全体41%、撤去加算の枠が20%でした。この記事の数値も更新しますが、判断の直前には公式サイトで確認してください。
見落とされやすい対象条件
金額や期限は多くの記事が書いていますが、条件のほうで対象外になるケースがあります。
【表3】確認しておく条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 着工日 | 2025年11月28日以降であること |
| 機器 | 性能要件を満たし、補助対象製品として登録された型番であること |
| J-クレジット | 制度への参加を表明する事業に限られる |
| 施主支給 | 対象外。発注者が機器を買い、取り付けだけ依頼する形は認められない |
| 2025事業 | 給湯省エネ2025事業で補助を受けた事業は除く |
| 事業者 | 登録された給湯省エネ事業者と契約すること |
J-クレジット制度への参加表明が必要
2026年事業では、J-クレジット制度に参加することへの意思表明を行う事業に限るとされています。手続きは事業者側で行われますが、条件として存在することは知っておいてください。
施主支給・材工分離は対象外
本体を自分で安く買って、取り付けだけ業者に頼む方法があります。しかし工事発注者が給湯器を購入し、取り付けを施工業者に依頼する工事は補助対象になりません。
本体代を数万円安くできても、補助金10万円を失えば差し引きで損になります。購入先ごとの価格差はエコキュートはどこで買うのが安い?購入先の比較と安く買う方法で整理していますが、いずれの購入先でも工事とセットで契約してください。
契約先が登録事業者かどうか
申請するのは消費者ではなく登録を受けた給湯省エネ事業者です。登録していない業者と契約すると、そもそも申請できません。
なお経済産業省が2025年12月2日付で行った指名停止等の措置により、措置対象の事業者と契約しても補助対象とならない場合があるとされています。見積り時に登録状況を確認してください。
登録事業者かどうかを調べる方法
住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトに「補助金利用を相談できる事業者の検索」があります。都道府県と相談内容を選び、「給湯省エネ事業者」に絞り込むと、その地域で対応できる登録事業者を確認できます。事業者名でのフリーワード検索もできます。
注意点が2つあります。
- 検索に出てこない=未登録、ではありません。公表を希望した事業者だけが掲載される仕組みです。載っていない場合は、その事業者に直接確認してください
- 登録は「優良な事業者」の認定ではありません。公式サイトも「国や事務局が優良な事業者として認定するものではありません」と明記しています。申請手続きができるという意味に限られます
つまり登録の有無は補助金を使えるかどうかの条件であって、業者選びの基準そのものではありません。保証内容や対応エリア、見積りの内訳とあわせて判断してください。業者ごとの比較はエコキュート交換はどこに頼む?業者の選び方と失敗しない見極め方で整理しています。
申請方法と流れ
消費者が自分で申請書を出すわけではありません。契約した登録事業者が代わりに手続きします。
手続きの流れ
- 登録事業者と工事請負契約を結ぶ
- 事業者が交付申請の予約を行う(任意)
- 工事の着工。工事前の写真を撮影
- 工事完了・引渡し。工事後の写真を撮影
- 事業者が交付申請を提出
- 交付決定後、補助金が事業者へ交付される
- 事業者から消費者へ還元
補助金は「充当」か「現金」で戻る
還元の方法は2つあり、事前に合意した方法によります。
- 契約代金に充当:請求額から補助金分を差し引く
- 現金で支払う:あとから受け取る。交付から遅くとも2か月以内に還元される
見積り時にどちらの方法か、いつ還元されるかを確認しておくと、支払いの計画が立てやすくなります。
工事写真の提出が要件になっている
交付申請には工事前・工事後の写真の提出が必要です。追加部品で性能要件を満たす場合は、その部品の写真も要ります。撤去加算を受ける場合は撤去する機器の写真も必要です。
公式サイトは2026年6月19日に提出書類における画像加工等の不適切な行為について注意喚起を出しています。写真の撮り直しや不備で申請が遅れると、その間に予算上限へ達する可能性もあります。
対象機種かどうかを調べる方法
補助対象はタイプや容量ではなく型番で決まります。住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトに「補助対象製品の検索」があり、メーカー名や型番の先頭一致で調べられます。
検索結果には、本体のみで要件を満たすか、台所リモコンや無線LANアダプターの追加が必要かまで表示されます。同じシリーズでも型番が1文字違うだけで扱いが変わることがあります。
給湯専用タイプでも対象になる機種はあります。詳しくはエコキュートの種類|フルオート・オート・給湯専用の違いと選び方で実例をあげて説明しています。
対象外だった場合に検討できる他の事業
給湯省エネ2026事業で対象外になっても、別の事業で補助を受けられる場合があります。
みらいエコ住宅2026事業
公式サイトは「エコキュートとハイブリッド給湯機については、本事業の補助対象とならない製品でも、みらいエコ住宅2026事業にて補助が受けられる場合があります」と案内しています。
つまり通信機能がなく給湯省エネの性能要件を満たさない機種でも、別事業なら拾える可能性があります。ただしみらいエコ住宅2026事業で給湯器の補助を受ける場合、撤去加算は受けられません。どちらが有利かは条件によるため、業者に両方の試算を出してもらってください。
住宅省エネ2026キャンペーンの他の事業
国の住宅関連の補助は、複数の事業がまとめて実施されています。
| 事業名 | 主な対象 |
|---|---|
| 給湯省エネ2026事業 | 高効率給湯器(エコキュート・ハイブリッド・エネファーム) |
| みらいエコ住宅2026事業 | 住宅の省エネ改修全般 |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 窓・ドアの断熱改修 |
| 賃貸集合給湯省エネ2026事業 | 賃貸集合住宅の給湯器 |
窓の断熱改修などをあわせて行う場合、複数の事業を組み合わせられることがあります。ただし同じ工事に重複して補助を受けることはできません。
リースや賃貸住宅の場合
リース利用でも補助の対象になる
購入だけでなくリース契約でエコキュートを導入する場合も対象です。この場合の補助対象者は給湯器の借主で、申請するのはリース事業者になります。
還元の方法として、一定期間リース料金と相殺する形も認められています。
賃貸集合住宅は別事業
賃貸の集合住宅に設置する場合は「賃貸集合給湯省エネ2026事業」という別の事業があります。オーナーとして設置を検討している場合は、そちらの要件を確認してください。
申請でつまずきやすいところ
制度を知っていても、手続きで止まることがあります。
工事前の写真を撮り忘れる
もっとも取り返しがつかない失敗です。工事前の写真は着工してしまうと撮れません。撮影するのは事業者ですが、着工前に「写真は撮りましたか」と一声かけるだけで防げます。
撤去加算を申請し忘れる
撤去加算は給湯器の交付申請と同時に申請する必要があります。あとから追加できません。電気温水器や電気蓄熱暖房機を撤去するなら、見積りの段階で加算の対象になるかを確認してください。
契約のタイミングが条件に合わない
着工が2025年11月28日より前だと対象外です。また給湯省エネ2025事業で補助を受けた事業も対象外になります。
予算上限に間に合わない
申請が遅れている間に予算上限へ達すると、工事をしても補助は受けられません。公式サイトも早期の交付申請を呼びかけています。契約から申請までの想定日数を、事業者に確認しておくと安心です。
自治体の補助金と併用できるか
国の補助金とは別に、都道府県や市区町村が独自の補助制度を設けている場合があります。
併用できるかは制度ごとに違う
国の制度と自治体の制度は別のものですが、自治体側が「国の補助金との併用不可」と定めていることがあります。逆に併用を認めている制度もあります。
判断できるのは自治体の要綱だけです。金額の大きい制度から確認して、併用の可否を問い合わせてください。
探し方
- お住まいの市区町村のサイトで「省エネ」「住宅設備」「補助金」を検索する
- 都道府県の環境部門・住宅部門のページを確認する
- 見積りを取る業者に、その地域で使える制度を聞く
自治体の制度は年度ごとに内容が変わり、予算上限で早期終了することも多いため、必ず最新の要綱を確認してください。この記事では国の制度に絞って解説しています。
2027年の補助金はどうなるか
2026年9月2日時点で、2027年の事業は公表されていません。
2026年事業のときの流れ
参考として、給湯省エネ2026事業は次のように進みました。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年2月16日 | 公式サイト公開 |
| 2026年3月10日 | 事業者登録の開始 |
| 2026年3月31日 | 交付申請の受付開始 |
| 2026年3月31日 | 前年の給湯省エネ2025事業が終了 |
制度の有無や金額は年度の予算によって決まるため、次年度も同じ条件で実施されるとは限りません。
待つべきか、今使うべきか
判断材料は2つあります。今の給湯器の状態と予算の消化状況です。
- 今の機器が10年以上で不調がある → 待つ間に故障すると選ぶ余裕がなくなる
- 2026年の予算がまだ残っている → 確実に使える制度を使うほうが安全
- 機器が新しく、当面困っていない → 次年度の内容を待つ選択肢もある
補助金は制度がある年に確実に使えるかどうかで考えるほうが現実的です。次年度の内容が同等以上になる保証はありません。
エコキュートの補助金に関するよくある質問(FAQ)
まとめ|金額より先に、期限と条件を確認する
- 基本7万円+性能加算3万円が土台。ここに撤去加算が乗る(電気温水器2万円/電気蓄熱暖房機4万円・2台まで)
- 戸建は2台まで、共同住宅は1台まで
- 期限は2026年12月31日だが、予算上限が先に来る。9月2日時点で41%消化
- 対象は型番単位。公式サイトの検索で確認できる
- 施主支給は対象外。工事とセットで契約する
- 申請するのは登録事業者。契約先の登録状況を確認する
補助金を確実に使うには、登録事業者であることと対象型番であることの2点を見積りの段階で押さえるのが近道です。
参照した出典一覧
| 出典名 | 内容 | 確認日 |
|---|---|---|
| 給湯省エネ2026事業 公式サイト「事業概要」 | 予算570億円、補助額、上限台数、対象期間、申請区分、還元方法 | 2026年9月2日 |
| 給湯省エネ2026事業 公式サイト トップページ | 予算に対する補助金申請額の割合(事業全体41%・撤去加算20%) | 2026年9月2日 |
| 給湯省エネ2026事業 公式サイト「新着情報」 | 受付開始日、画像加工に関する注意喚起、2025事業の終了 | 2026年9月2日 |
| 給湯省エネ2026事業 公式サイト「対象機器の詳細(エコキュート)」 | 性能要件、性能加算要件 | 2026年9月2日 |
| 住宅省エネ2026キャンペーン「補助対象製品の検索」 | 型番別の補助対象可否 | 2026年9月2日 |
| 住宅省エネ2026キャンペーン「補助金利用を相談できる事業者の検索」 | 登録事業者の検索方法、登録は優良認定ではない旨 | 2026年9月2日 |
