電気温水器からエコキュートへの交換|違い・費用・補助金と判断基準

電気温水器からエコキュートへの交換|違いと費用

電気温水器からエコキュートに替えると、お湯を沸かすのに使う電力量はおよそ3分の1になります

ただし本体が1台から2台に増えるため、設置スペースと初期費用の問題が出ます。

判断材料になるのは設置スペース・初期費用・補助金の3つです。

とくに電気温水器からの交換では、補助金に撤去加算2万円が上乗せされます。この記事では違い・費用・補助金・後悔しやすいケースまで整理します。

この記事でわかること
  • 電気温水器とエコキュートの違いと、消費電力量が約3分の1になる仕組み
  • 電気温水器からの交換で使える撤去加算2万円(給湯省エネ2026事業)
  • 交換して後悔しやすい3つのケースと、事前に確認すること
目次

結論|電気代は下がるが、設置スペースと初期費用が要る

交換するかどうかは、次の3点で決まります。

判断の分かれ目3つ

  • 設置スペース:ヒートポンプユニットを置く場所が新たに必要になる
  • 初期費用:本体価格は電気温水器より高い。ただし補助金と電気代で回収を考える
  • 使用年数:今の電気温水器が10年以上使っているなら、故障前の交換を検討する時期

スペースが確保できるなら、長く使うほど有利になるのがエコキュートです。逆にヒートポンプの置き場所がどうしても取れない場合、電気温水器を選び直すことになります。

電気温水器とエコキュートの違い

どちらも電気でお湯を沸かしますが、沸かし方が根本的に違います

【表1】仕組みと特徴の比較

電気温水器エコキュート
熱源電熱ヒーターヒートポンプ(空気の熱+電気)
本体構成貯湯タンク1台貯湯タンク+ヒートポンプの2台
消費電力量電気温水器の約3分の1
初期費用安い高い
運転音小さいヒートポンプの運転音がある
耐用年数10〜15年程度10〜15年程度
補助金対象外給湯省エネ2026の対象になりうる
電気温水器とエコキュートの仕組みの違い

お湯を作る仕組みが違う

電気温水器は、貯湯タンクの中の電熱ヒーターで水を直接あたためます。ダイキンはこれを「保温付き電気ポットと同じしくみ」と説明しています。

エコキュートは屋外の空気の熱を集めて、その熱でお湯を沸かします。エアコンと同じヒートポンプ方式です。

消費電力量が約3分の1になる理由

ヒートポンプは電気エネルギー1に対して2以上の空気熱を集めます。電気そのものを熱に変えるのではなく、空気中の熱を運んでくるためです。

この差により、同じ量のお湯を沸かすときの消費電力量を約3分の1に抑えられるとされています。出典:ダイキン工業「電気温水器とエコキュートの違いやメリット・デメリットも解説」(確認日:2026年8月29日)。

ただし実際の電気代は契約している電力プランと使用量で変わります。効率の差がそのまま料金の差になるとは限りません。

本体が1台から2台になる

見落とされやすい違いです。電気温水器は貯湯タンク1台ですが、エコキュートは貯湯ユニットとヒートポンプユニットの2台を置きます。

ヒートポンプユニットはエアコンの室外機に近い形状で、ダイキンの場合で高さ735×幅825×奥行300mm、質量57kgです。前面に空気の吹き出しスペースも必要になります。設置場所の余裕を先に確認してください。

自宅がどちらか見分ける方法

「うちはどちらか分からない」という場合、見分けるのは簡単です

屋外に室外機のような機器があるか

もっとも早い判別方法です。タンクの横に、エアコンの室外機に似た機器があればエコキュート。タンク1台だけなら電気温水器です。ヒートポンプユニットには前面にファンの吹き出し口があります。

本体の銘板と型番で確認する

タンク側面のシールに型番と品名が書かれています。「ヒートポンプ給湯機」と書かれていればエコキュート、「電気温水器」と書かれていれば電気温水器です。

型番からも判別できます。たとえば三菱電機なら、エコキュートは「SRT-」で始まります。メーカーと型番を控えておくと、見積りの相談が早く進みます

交換費用|電気温水器からの場合に増える項目

工事費込みの総額の考え方はエコキュート同士の交換と同じですが、電気温水器からの場合に追加されやすい項目があります。

撤去処分費がかかる

既存の電気温水器を外して処分する費用です。見積書に含まれているかを必ず確認してください。総額が安く見える見積りで、この項目が別になっていることがあります。

ヒートポンプ用の基礎工事が加わる

電気温水器はタンク1台分の基礎しかありません。ヒートポンプユニットを置くための基礎を新たに作る必要があります。既存の基礎をそのまま使えないケースが多く、追加費用の要因になります。

電気工事が必要になる場合がある

機器によって必要な電源が異なるため、分電盤のブレーカーや配線の変更が発生することがあります。現地調査で判断される項目です。

総額の相場と内訳の見方はエコキュート交換費用の相場|工事費込み総額と内訳で分解しています。見積書の読み方はエコキュートの見積もりの取り方|相見積もりで比較するコツを参照してください。

補助金|電気温水器の撤去で2万円が上乗せされる

電気温水器からの交換で使える補助金の内訳

ここが電気温水器からの交換でいちばん大きいポイントです。給湯省エネ2026事業には、既存機器の撤去に対する加算があります。

【表2】給湯省エネ2026事業の補助額

区分金額条件
基本額7万円/台性能要件を満たすエコキュート
性能加算3万円/台目標基準値+0.2以上の性能
撤去加算(電気温水器)2万円/台電気温水器を撤去する場合
撤去加算(電気蓄熱暖房機)4万円/台電気蓄熱暖房機を撤去する場合

基本額と性能加算に撤去加算を足すと、最大12万円になります。エコキュートからエコキュートへの交換では撤去加算が使えないため、電気温水器からの交換のほうが補助額は大きくなります。出典:給湯省エネ2026事業 公式サイト(確認日:2026年8月29日)。

対象になる条件

性能要件は、トップランナー制度の2025年度目標基準値以上の性能があり、インターネットに接続でき、天気予報に連動して昼間に沸き上げをシフトする機能を持つこと(またはおひさまエコキュート)とされています。

注意点が2つあります。同じシリーズでも型番によって対象かどうかが分かれます。そして申請できるのは登録された事業者です。見積り時に「この型番は対象か」「御社は登録事業者か」を確認してください。制度全体の解説はエコキュートの補助金2026|最大18万円の内訳・条件・申請方法にあります。

電気代はどれくらい変わるか

お湯を沸かすのに使う電力量は約3分の1になりますが、請求される電気代がそのまま3分の1になるわけではありません

効率の差と料金の差は別

電気代は「使った電力量×単価」で決まります。単価は契約している電力プランと時間帯で変わります。夜間が安いプランに入っているか、沸き上げの時間帯が夜間に設定されているかで、実際の金額は変わります。

また給湯以外の電気代は変わりません。家全体の請求額のうち、給湯が占める分だけが下がります。

電力プランの見直しもあわせて検討する

電気温水器の時代に契約したプランのままだと、エコキュートの運転パターンに合っていないことがあります。交換のタイミングで、契約プランが今の使い方に合っているかを電力会社に確認してください。

太陽光発電を設置している場合は、昼間に沸き上げるほうが有利になるケースもあります。この場合は昼間シフト機能やおひさまエコキュートが選択肢になります。

交換して後悔しやすい3つのケース

事前に確認しておけば避けられるものばかりです。エコキュート全般で起きやすい後悔はエコキュートで後悔する5つの理由|「やめとけ」は本当かで整理しています。

①ヒートポンプの置き場所が窮屈

もっとも多いパターンです。タンクを置き替えることだけを考えていて、2台目の場所を見落とすと、通路が狭くなったり、点検スペースが取れなくなったりします。

置き場所が厳しい場合は、貯湯ユニットを薄型にして余裕を作る方法もあります。詳しくはエコキュートの薄型とは?角型との寸法比較とデメリット・選び方を参照してください。

②運転音と設置場所の関係

電気温水器はほぼ無音ですが、エコキュートのヒートポンプには運転音があります。エアコンの室外機と同程度です。夜間に沸き上げる設定だと、寝室や隣家の窓の近くでは気になることがあります。

設置場所を決めるときに寝室の窓の正面や、隣家との境界のすぐ近くを避けると、あとから問題になりにくくなります。

③容量とタイプの選び方が合っていない

今の電気温水器と同じ容量にすれば安心とは限りません。エコキュートのタンク容量は「使える湯量」とは別の数字だからです。家族の人数が変わっていれば、必要な容量も変わります。

容量の決め方はエコキュートの容量とサイズの選び方|370Lと460Lの違い・設置寸法、フルオート・オート・給湯専用の違いはエコキュートの種類|フルオート・オート・給湯専用の違いと選び方で整理しています。

どちらを選ぶべきか|条件別の早見表

置かれている条件によって答えは変わります。全員にエコキュートが向くわけではありません

あなたの状況向いているほう理由
ヒートポンプを置く場所があるエコキュート消費電力量が約3分の1になり、補助金も使える
今の電気温水器が10年以上エコキュートどのみち交換の時期。補助金が使えるうちに
太陽光発電を設置しているエコキュート昼間の余剰電力を沸き上げに使える
2台分の設置スペースが取れない電気温水器ヒートポンプが物理的に置けない
寝室のすぐ横にしか置けない要検討運転音の影響を現地で確認してから判断する
数年以内に建て替え・引っ越しの予定要検討回収期間より先に手放す可能性がある

迷ったときは設置場所から考えるのが確実です。置き場所さえ確保できれば、他の条件は費用と時期の問題に整理できます。

交換すると変わる使い勝手

電気代や費用以外にも、日常の使い方が変わる点があります。事前に知っておくと戸惑いません。

お湯が足りないときに沸き増しできる

エコキュートは日中でも運転して沸き増しができます。来客などで湯量が足りなくなったとき、リモコンの操作で追加のお湯を作れます。ただし昼間の電気料金がかかるため、日常的に使うと電気代が上がります

停電・断水のときに生活用水として使える

貯湯タンクに残っている水を非常用水として取り出せます。これは電気温水器でも同じ仕組みですが、タンク容量が変わると取り出せる量も変わります。取り出し方は機種によって異なるため、取扱説明書で確認してください。詳しくはエコキュートの凍結・断水・停電への備えと対処法で解説しています。

フルオートを選ぶと入浴剤に制限が出る

見落とされやすい点です。浴槽のお湯がふろ配管を循環するタイプ(フルオート・オート)では、使える入浴剤が限られます。にごり湯タイプや炭酸ガスを含むものは避けるよう、各メーカーが案内しています。

今使っている入浴剤を続けたい場合は、タイプ選びの段階で考慮してください。タイプごとの違いはエコキュートの種類|フルオート・オート・給湯専用の違いと選び方で整理しています。

交換のタイミング

電気温水器の耐用年数は10〜15年程度とされています。これはエコキュートと同じ水準です。

【表3】使用年数別の考え方

使用年数考え方
10年未満不具合がなければ、まだ急ぐ必要はない
10〜15年故障が起きやすくなる時期。見積りを取っておく
15年以上部品の在庫がなく修理できない可能性がある

壊れてからでは選ぶ余裕がない

お湯が出なくなってから探すと、比較する時間がないまま決めることになります。とくに電気温水器からの交換は基礎工事や電気工事が入る可能性があるため、工事日数が読みにくいという事情もあります。

動いているうちに見積りを取っておけば、金額と工事内容を落ち着いて比べられます

交換の流れと日数

問い合わせから工事完了までの一般的な流れです。

  • 問い合わせ・現地調査(設置場所、搬入経路、電源を確認)
  • 見積り提示(撤去処分費・基礎工事・電気工事が含まれるか確認)
  • 契約・機器の手配
  • 工事(撤去、基礎、設置、配管、試運転)
  • 補助金の申請(登録事業者が行う)

工事そのものは1日で終わることが多いものの、基礎の打設を伴う場合は養生期間が必要になり、日をまたぐことがあります。詳しい日数の目安はエコキュートの買い替えガイド|時期・費用・日数と交換の流れで整理しています。

電気温水器からの交換に関するよくある質問(FAQ)

電気温水器からエコキュートに替えると電気代はいくら下がりますか?

お湯を沸かすのに使う電力量はおよそ3分の1になるとされていますが、請求額がそのまま3分の1になるわけではありません。契約プランや使用量、給湯以外の電気の使い方で変わります。

今の電気温水器と同じ場所に置けますか?

貯湯タンクは置き替えられても、ヒートポンプユニットを置く場所が新たに必要です。基礎も作り直しになることが多いため、現地調査で確認してもらってください。

電気温水器からの交換でも補助金は使えますか?

給湯省エネ2026事業の対象になりえます。さらに電気温水器を撤去する場合は撤去加算2万円が上乗せされます。対象かどうかは型番単位で決まり、申請は登録事業者が行います。

自宅が電気温水器かエコキュートか分かりません

屋外のタンクの横に、エアコンの室外機に似た機器があればエコキュートです。タンク1台だけなら電気温水器です。本体側面の銘板の品名でも確認できます。

電気温水器のままにする選択肢はありますか?

あります。ヒートポンプの置き場所がどうしても取れない場合や、運転音を避けたい場合は電気温水器が向くこともあります。ただし補助金の対象外で、ランニングコストは高くなります。

電気温水器の寿命は何年ですか?

10〜15年程度とされています。エコキュートと同じ水準です。10年を超えたら、故障する前に見積りを取っておくと選ぶ余裕ができます。

まとめ|スペースが確保できるなら交換の利は大きい

  • お湯を沸かすのに使う電力量は約3分の1になる
  • 本体が1台から2台に増えるため、置き場所の確認が最優先
  • 電気温水器からの交換は撤去加算2万円が上乗せされ、最大12万円
  • 撤去処分費・基礎工事・電気工事が見積りに入っているか確認する
  • 10年を超えていれば、壊れる前に見積りを取っておく

まずヒートポンプユニットを置ける場所があるかを見てください。そこさえ確保できれば、補助金とランニングコストの両面で交換の利は大きくなります。

参照した出典一覧

出典名内容確認日
ダイキン工業「電気温水器とエコキュートの違いやメリット・デメリットも解説」仕組みの違い、消費電力量が約3分の1になる根拠、耐用年数10〜15年2026年8月29日
給湯省エネ2026事業 公式サイト基本額7万円、性能加算3万円、撤去加算(電気温水器2万円・電気蓄熱暖房機4万円)、性能要件2026年8月29日
ダイキン工業 商品ラインアップ(エコキュート)ヒートポンプユニットの寸法と質量2026年8月29日
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