先に結論を書きます。埼玉県には給湯器・エコキュートの補助金はありませんが、市町村には制度がある場合があります。さいたま市はエコキュートに最大10万円を交付しており、国の補助金と併用できます。
つまり住んでいる市によって受け取れる額が変わります。この記事では県の制度、市町村の実例(さいたま市・川口市・上尾市)、国の制度の順に整理し、確実に受け取るための条件までまとめます。
- 埼玉県の補助制度は太陽光・太陽熱・蓄電池・エネファームの4つで、給湯器は対象外
- さいたま市は給湯機に最大10万円。国との併用可(川口市は対象外)
- 国の補助を埼玉で確実に受け取る3条件と、登録事業者の調べ方
結論|県の制度はないが、市によってはある
【表1】埼玉県と市町村の補助対象
| 制度 | 対象となる設備 | エコキュート・給湯器 |
|---|---|---|
| 埼玉県 家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金 | 太陽光発電設備/太陽熱利用システム/蓄電池/エネファーム | 対象外 |
| さいたま市 省エネ・断熱住宅普及促進補助金 | ZEH/高効率給湯機/断熱改修 | 対象(最大10万円) |
| 川口市 地球温暖化対策活動支援金 | 太陽光/エネファーム/雨水貯留/生ごみ処理容器/太陽熱/地中熱/蓄電池/HEMS/FCV/EV の10種 | 対象外 |
| 国 給湯省エネ2026事業 | エコキュート/ハイブリッド給湯機/エネファーム | 対象 |

出典:埼玉県 環境部エネルギー環境課、川口市 環境総務課(いずれも確認日:2026年9月2日)。
ただし「おひさまエコキュート」や「ハイブリッド給湯機」なら対象にしている市があります(上尾市の例は後述)。通常のエコキュートとは扱いが分かれます。
市の制度があっても、国が土台になる
市の制度がある場合でも、金額の大きさでは国が中心です。国は最大18万円、さいたま市は最大10万円。しかも市の交付額は「国の補助を差し引いた額の3分の1」で計算されるため、国を取りこぼすと二重に損をします。
埼玉県の補助金の実態
埼玉県は「家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」を実施しています。県内の既存住宅に設備を導入する人が対象です。
対象は4設備。給湯器は含まれない
| 補助対象設備 | 補助金の額 |
|---|---|
| 太陽光発電設備 | 7万円/kW(上限35万円) |
| 太陽熱利用システム(強制循環型) | 補助対象経費の3分の2(上限20万円) |
| 蓄電池 | 10万円/件 |
| エネファーム(家庭用燃料電池) | 5万円/件 |
受付期間は令和8年5月18日から令和9年1月29日まで(先着順)。ただし太陽光発電設備と太陽熱利用システムは令和8年5月27日に予算額へ達し、受付を終了しています。蓄電池とエネファームは継続中です。
エネファームを検討している場合は使える
エコキュートは対象外ですが、エネファームなら県から5万円を受けられます。国の給湯省エネ2026事業でもエネファームは17万円が交付されるため、条件が合えば両方の検討価値があります。
ただし国の補助事業と、国庫支出金を財源とする市町村の補助事業との併用はできません。県は秩父市・所沢市・春日部市・入間市・新座市・久喜市・白岡市の制度について、国庫支出金が財源のものがあると注意喚起しています。該当地域では市に確認してください。
県からの注意喚起
埼玉県は公式サイトで「県では太陽光発電設備や蓄電池等の導入やメンテナンスについての勧誘は行っておりません。SNSを使用した広報も行っていません」と明記しています。県を名乗る勧誘があれば疑ってください。手口と断り方はエコキュートの点検詐欺・悪質訪問営業の見分け方と断り方で解説しています。
さいたま市の補助金|給湯機に最大10万円
さいたま市には「省エネ・断熱住宅普及促進補助金」があり、エコキュートを含む高効率給湯機が対象です。国の給湯省エネ2026事業と併用できると市が明記しています。
【表】補助金額
| 区分 | 上限額 | 条件 |
|---|---|---|
| 設備の効率化(給湯機) | 5万円 | エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファーム・太陽熱利用・地中熱利用 |
| 加算 | 5万円 | 下記の条件を満たす場合 |
| 合計 | 10万円 | — |
ただし実際の交付額は、上限額と「(補助対象経費−国・県の補助金)×3分の1」のいずれか低い額です。国の補助を受けるとその分が差し引かれるため、必ず上限額が出るわけではありません。
加算5万円の条件に注意
加算を受けるには、交換前の設備がガス・石油給湯器または電気温水器である必要があります。つまりエコキュートからエコキュートへの買い替えでは加算が受けられず、上限5万円になります。
あわせて機器の性能要件もあります。エコキュートの場合、2025年度の目標基準値+0.2以上の性能値を有するもの、またはおひさまエコキュートです。これは国の性能加算と同じ基準です。
対象になる住宅と申請者
- 新築ではない住宅に設置すること(新築は給湯機の対象外)
- 「申請者=契約者=支払者=居住者」であること
- 実績報告時点でさいたま市に住民票があり、居住していること
- 市税の滞納がないこと
- 未使用品であること(リース不可)
- 施工業者による代行申請も可能
令和8年度は受付が終了しています
給湯機の予算は5,400万円でしたが、令和8年8月27日17時15分に受付を終了しました。4月1日の受付開始から約5か月です。参考までに、断熱改修は6月26日に終了しています。
制度は令和7年度・令和8年度と実施されていますが、次年度の実施は市の予算次第です。検討している場合は、年度初めに市の公式サイトを確認してください。出典:さいたま市 ゼロカーボン推進戦略課「令和8年度 省エネ・断熱住宅普及促進補助金」交付要綱(確認日:2026年9月4日)。さいたま市での交換はさいたま市のエコキュート交換|市と国の補助金・業者の選び方、ガス給湯器の場合はさいたま市の給湯器交換|市の補助金10万円と業者の選び方で詳しく整理しています。
予算残額が200万円を下回ると抽選
さいたま市は先着順ですが、予算残額が200万円を下回った日を含む3営業日に受理した申請は抽選になります。令和8年度の給湯機は8月12日に抽選対象期間へ入りましたが、最終的に抽選は実施されず、8月27日までの申請はすべて受け付けられました。
市町村の補助金|川口市を例に
市町村にも独自の制度がありますが、給湯器が対象になっている例は確認できませんでした。県内最大級の川口市を実例として見ます。
川口市の対象は10システム
川口市の「地球温暖化対策活動支援金」の対象は、太陽光発電・エネファーム・雨水貯留施設・生ごみ処理容器・太陽熱利用・地中熱利用・蓄電池・HEMS・燃料電池自動車・電気自動車の10種類です。エコキュートもガス給湯器も入っていません。
参考までに、令和8年度の予算残額は3,936万円(64.3%)。令和8年8月31日時点です。受付は令和8年5月11日から予算額に達するまでで、予算が残っていても令和9年3月15日で終了します。出典:川口市 環境総務課(確認日:2026年9月2日)。
市内業者を使うと増額される制度もある
川口市は市内業者と契約した場合に支援金を増額しています(燃料電池自動車と電気自動車を除く)。給湯器は対象外なので直接は関係しませんが、自治体には地元業者を優遇する制度があることは覚えておくと、他の設備を検討するときに役立ちます。
お住まいの市町村を自分で調べる手順
- 市区町村のサイトで「省エネ 補助金」「地球温暖化 支援金」と検索する
- 担当課はたいてい環境部・環境課
- 対象設備の一覧に「エコキュート」「高効率給湯器」があるかを確認する
- 年度が変わると内容も変わるため、令和8年度(2026年度)のページかを確認する
制度があっても国の補助金と併用できない場合があります。金額の大きい制度から確認してください。
例外|おひさまエコキュートなら対象になる市がある
ここまで「対象外」と書いてきましたが、通常のエコキュートではなく、おひさまエコキュートやハイブリッド給湯機なら補助対象にしている市があります。上尾市が実例です。
上尾市 再エネ・省エネ対策推進奨励金
| 対象機器 | 交付上限額 |
|---|---|
| エネファーム(燃料電池コージェネレーション) | 50,000円 |
| ハイブリッド給湯機 | 30,000円 |
| 太陽光自家消費促進型給湯機(おひさまエコキュート) | 30,000円 |
| 定置用蓄電池システム | 50,000円 |
| 太陽光発電システム | 90,000円(1kWあたり20,000円) |
市の資料には「エコキュート・エコジョーズは対象外です」と明記されています。つまり太陽光と組み合わせるおひさまエコキュートは対象、通常のエコキュートは対象外という線引きです。
金額と条件
- 交付額は上限額または費用の2分の1のどちらか低い金額
- 令和8年4月1日以降に購入・設置したものが対象
- 令和9年3月31日までに申請手続きを完了すること
- 一機器につき1回、一世帯につき3つまで
- 市税の滞納がないこと
予算額は29,265,000円で、令和8年8月31日時点の申請額の割合は43%(交付申請可能額16,650,900円)。先着順で、予算額に達した日に複数の申請があった場合は抽選になります。出典:上尾市 ゼロカーボン推進室(確認日:2026年9月2日)。
自分の市に同様の制度があるか調べる
埼玉県内63市町村の補助制度は、認定NPO法人 環境ネットワーク埼玉が一覧にまとめて公開しています(令和8年7月10日更新)。自治体名から各市町村の制度ページに移動できるため、まずここで確認するのが早道です。
確認するときは、対象機器の欄に「エコキュート」と書かれているかを見てください。「おひさまエコキュート」「ハイブリッド給湯機」だけの場合、通常のエコキュートは対象外です。
埼玉で使える国の補助金はいくらか
給湯省エネ2026事業の金額は撤去する機器で決まります。
【表2】ケース別の補助額(エコキュート1台)
| あなたのケース | 撤去加算 | 合計 |
|---|---|---|
| エコキュートからの買い替え | なし | 10万円 |
| 電気温水器を撤去する | 2万円 | 12万円 |
| 電気蓄熱暖房機を撤去する | 4万円 | 14万円 |
| 電気蓄熱暖房機を2台撤去する | 8万円 | 18万円 |
基本額7万円と性能加算3万円は共通です。制度の全体像はエコキュートの補助金2026|最大18万円の内訳・条件・申請方法で解説しています。
予算の消化状況と締切
申請できるのは遅くとも2026年12月31日までですが、予算上限に達した時点で終了します。2026年9月2日午前0時時点で、予算に対する申請額の割合は41%(撤去加算の枠は20%)でした。公式サイトのトップページで毎日更新されるため、検討時点の数値を確認してください。
埼玉で補助金を確実に受け取る3条件
県や市の上乗せがない以上、国の補助を確実に取ることがすべてです。条件は3つあります。
①登録事業者と契約する
申請するのは消費者ではなく、あらかじめ登録を受けた「給湯省エネ事業者」です。登録していない業者と契約すると、機器が要件を満たしていても申請できません。工事のあとで気づいても間に合いません。
②補助対象の型番を選ぶ
対象はタイプや容量ではなく型番で決まります。同じシリーズでも型番が1文字違うだけで対象外になることがあります。見積書に書かれた型番で確認してください。
③着工前に申請の段取りを決める
交付申請には工事前と工事後の写真が必要です。工事前の写真は着工してしまうと撮れません。撤去加算を受ける場合は撤去する機器の写真も要ります。着工前に「写真は撮りましたか」と一声かけるだけで防げます。
埼玉対応の登録事業者を自分で調べる方法

登録事業者かどうかは公式サイトで誰でも確認できます。業者に聞くだけでなく、自分でも調べられます。
検索の手順
- 住宅省エネ2026キャンペーン公式サイトの「補助金利用を相談できる事業者の検索」を開く
- 住宅の所在地(都道府県)で「埼玉県」を選ぶ
- 相談したい内容で「リフォーム工事」を選ぶ
- 登録事業者の欄で「給湯省エネ事業者」にチェックを入れる
- 事業者名が分かっていれば、フリーワードに入力して絞り込む
検索結果には登録事業者番号・営業エリア・登録している事業の種類が表示されます。見積りを取る前に確認しておくと、あとで「申請できません」と言われずに済みます。
検索に出てこない=未登録ではない
注意点が2つあります。1つ目は、公表を希望した事業者だけが掲載される仕組みであること。載っていない業者は、直接確認するか、キャンペーンの問い合わせ窓口に聞いてください。
2つ目は、登録は「優良な事業者」の認定ではないことです。公式サイトも「国や事務局が優良な事業者として認定するものではありません」と明記しています。登録の有無は補助金を使えるかどうかの条件であって、業者選びの基準そのものではありません。保証内容や見積りの内訳とあわせて判断してください。
調べるのが面倒な場合
自分で検索して1社ずつ確認するのは手間がかかります。最初から登録事業者に相談すれば、この工程を省けます。給湯器駆けつけ隊(株式会社ミズテック)は給湯省エネ事業者として登録されており、登録事業者番号はS093421、埼玉県も営業エリアに含まれます(住宅省エネ2026キャンペーン公式サイトで確認。確認日:2026年9月2日)。
いつ動けばよいか
日付の期限より予算の期限が先に来る
国の制度は予算上限に達し次第、受付終了です。県の制度でも、太陽光発電設備と太陽熱利用システムは受付開始から9日で予算に達しました。先着順の制度は、日付を待っていると間に合わないことがあります。
冬に壊れてから探すと選ぶ余裕がない
給湯器のトラブルは冬に集中します。お湯が出なくなってから探すと、比較する時間がないまま決めることになります。補助金の対象型番か、登録事業者かを確認する余裕もなくなります。
設置から10年を超えているなら、動いているうちに見積りを取っておくのが確実です。時期の判断はエコキュートの寿命は何年?平均10〜15年と交換時期7つのサインで解説しています。
埼玉のエコキュート補助金に関するよくある質問(FAQ)
まとめ|国が土台、市の制度は上乗せ
- 埼玉県の補助対象は太陽光・太陽熱・蓄電池・エネファームの4つ。県の制度に給湯器はない
- 市町村によって差がある。さいたま市は最大10万円、上尾市はおひさま・ハイブリッドのみ、川口市は対象外
- 国の給湯省エネ2026事業は最大18万円。市の制度とは併用できる場合がある
- 確実に受け取る条件は「登録事業者と契約」「対象型番を選ぶ」「着工前に写真の段取り」
- 登録事業者は公式サイトで埼玉県に絞って検索できる
市の制度は年度ごとに内容も予算も変わります。まず国の制度を確実に押さえ、そのうえで市の制度を確認するのが確実です。見積りの段階で、登録事業者かどうかと型番の対象可否を確認してください。
参照した出典一覧
| 出典名 | 内容 | 確認日 |
|---|---|---|
| 埼玉県「家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」 | 補助対象4設備と金額、受付期間、太陽光・太陽熱の受付終了、併用不可の注意、勧誘に関する注意喚起 | 2026年9月2日 |
| さいたま市「令和8年度 省エネ・断熱住宅普及促進補助金」交付要綱 | 給湯機5万円+加算5万円、加算条件、計算方法、対象住宅、受付終了日、抽選の仕組み | 2026年9月4日 |
| 川口市「令和8年度 地球温暖化対策活動支援金総合案内」 | 対象10システム、予算残額64.3%、市内業者活用による増額 | 2026年9月2日 |
| 上尾市「令和8年度 上尾市再エネ・省エネ対策推進奨励金」 | 対象機器と交付上限額、エコキュート・エコジョーズは対象外の明記、予算に対する申請額43% | 2026年9月2日 |
| 認定NPO法人 環境ネットワーク埼玉「埼玉県内自治体温暖化対策等補助金」 | 県内63市町村の補助制度一覧(令和8年7月10日更新) | 2026年9月2日 |
| 給湯省エネ2026事業 公式サイト | 補助額、撤去加算、予算消化率41%、申請期限 | 2026年9月2日 |
| 住宅省エネ2026キャンペーン「補助金利用を相談できる事業者の検索」 | 登録事業者の検索方法、登録は優良認定ではない旨、登録事業者番号 | 2026年9月2日 |
