- エラー表示がないのに止まるときの確認手順チェックリスト
- 電源が入らない・リモコンが映らないときの原因と対処
- メーカー2社が公表する修理費用の目安と、交換との分かれ目

エコキュートがまったく動かない。
リモコンも真っ暗で、何が起きているのか分からない。
エコキュートが動かないとき、故障ではなく電源まわりが原因のケースが少なくありません。漏電遮断器が落ちている、停電後の復帰操作が必要、給水元栓が閉まったまま、といった状態です。
修理を依頼すると、メーカーの場合は点検だけでも出張料と技術料が発生します。呼ぶ前に確認できることを済ませておけば、無駄な出費を避けられます。
この記事では、電源が入らない場合とエラー表示がない場合に分けて確認手順を示し、修理費用の目安と交換との分かれ目までを整理します。


結論|エコキュートが動かないときにまず確認する3点
連絡の前に、次の3つを順に見てください。
- 漏電遮断器(ブレーカー)が落ちていないか
- リモコンにエラーコードが表示されていないか
- 給水元栓(止水栓)が閉まっていないか
この3点で解決するケースが相当数あります。とくに冬季の凍結や、水抜き後の開け忘れは頻度が高い原因です。
緊急度の判断
- すぐ点検を依頼:ブレーカーが繰り返し落ちる、焦げたにおいがする、水漏れを伴う
- まず自分で確認:エラー表示がない、単に動いていない
- 待てば復旧する可能性:冬の朝、停電の直後
ブレーカーが繰り返し落ちる場合は、漏電などの異常を示しています。復帰操作を繰り返さず、点検を依頼してください。
電源が入らない・リモコンが表示されない
リモコンが真っ暗、操作を受け付けない、という症状です。
漏電遮断器(ブレーカー)が落ちている
エコキュートは専用の回路につながっており、分電盤とは別に本体近くの専用ブレーカーが設けられていることがあります。分電盤だけでなく、貯湯タンク周辺のブレーカーも確認してください。
落ちていた場合は一度だけ復帰させます。すぐに再び落ちるなら、そこで操作をやめてください。
停電後に復帰操作が必要な場合
停電から復旧したあと、機種によっては操作が必要です。取扱説明書の「停電後の復帰」の項目を確認してください。
また停電中はお湯を沸かせないため、復旧後に沸き上げが完了するまで時間がかかります。すぐにお湯が使えないのは、故障ではなくこの影響であることがあります。
リモコン本体の故障
本体は動いているのにリモコンだけ表示されない場合、リモコン本体か通信線の不具合が考えられます。浴室と台所の両方が同時に映らないなら、通信線または貯湯ユニット基板側の可能性が高くなります。
片方だけなら、そのリモコンの故障が疑われます。リモコンの交換で直ることもあり、本体の寿命とは限りません。


ブレーカーが繰り返し落ちる場合
漏電、内部部品のショート、電気系統部品の故障が考えられます。復帰操作を繰り返すと危険なため、ブレーカーを切った状態にして点検を依頼してください。
ただし冬季にブレーカーを切ると凍結予防運転も止まります。凍結の恐れがある時期は、業者に相談したうえで判断してください。


エラー表示がないのに動かない|確認手順チェックリスト
リモコンは表示されているのに、沸き上げが始まらない、お湯が出ない、という状態です。この場合こそ、自分で確認できることが多く残っています。
確認の手順
- リモコンの湯量表示を見る(ゼロに近ければ湯切れ。沸き増しで解決します)
- 休止設定・長期不在モードになっていないか確認する
- 給水元栓(止水栓)が開いているか確認する
- 逃し弁のレバーが開いたままになっていないか確認する(水抜き後に多い)
- 断水・水道工事が行われていないか確認する
- 冬季なら配管の凍結を疑い、気温の上昇を待つ
- ヒートポンプの吸込口・吹出口がふさがれていないか確認する
エコキュートは水道の給水圧でタンクのお湯を押し出す仕組みです。給水元栓が閉まっていると、タンクにお湯が残っていても出てきません。水漏れの応急処置や水抜きのあとに開け忘れているケースがあります。
エラー表示なしで止まるときのチェックリスト
| 確認項目 | どこを見るか | 該当した場合の対処 |
|---|---|---|
| 湯量表示 | リモコン | ゼロに近ければ沸き増しをする |
| 休止設定 | リモコンの設定画面 | 設定を解除する |
| 給水元栓 | 貯湯タンクのそば | 開ける |
| 逃し弁のレバー | 貯湯タンク上部 | 閉じる(水抜き後は要確認) |
| 断水情報 | 水道局のサイト・管理会社の掲示 | 復旧を待つ |
| 配管の凍結 | 屋外の配管、冬季かどうか | 気温の上昇を待つ |
| 吸込口・吹出口 | ヒートポンプユニット | 物・落ち葉・積雪を取り除く |
| ブレーカー | 分電盤と本体周辺 | 一度だけ復帰させる |
ここまで確認して復旧しない場合、機器側の不具合が考えられます。確認した内容をメモしておくと、点検の際に伝えられて診断が早くなります。
エラーコードが表示されている場合
リモコンにU○○、H○○、C○○、E○○といったコードが出ていれば、機器が自ら異常を検知しています。
まずコードを控える
コードは原因を特定する最短の手がかりです。連絡の前に必ず控えてください。訪問前に原因の見当がつき、必要な部品を持参してもらえる可能性が上がって、修理までの日数を短縮できます。
一度だけリセットしてみる
一時的な要因で表示されることもあるため、取扱説明書の手順に従って一度だけリセットしてください。同じコードが繰り返し出るなら部品の劣化が進んでいます。何度もリセットを繰り返すのは避けてください。
コードの意味を調べる
意味は取扱説明書またはメーカーの公式サイトで確認できます。メーカー別の一覧と対処はエコキュートのエラーコード一覧|メーカー別の意味と対処法にまとめています。
症状別に見る故障の切り分け
症状ごとに、疑われる原因と対処の方向を整理します。
症状別の原因と対処
| 症状 | 考えられる原因 | まず確認すること | 対処の方向 |
|---|---|---|---|
| リモコンが真っ暗 | ブレーカーが落ちている、リモコンの故障 | 分電盤と本体周辺のブレーカー | 復帰させる/リモコン交換 |
| ブレーカーが繰り返し落ちる | 漏電、電気系統部品の故障 | — | 復帰させず点検を依頼 |
| 沸き上げが始まらない | 休止設定、基板やヒートポンプの故障 | 設定と湯量表示 | 設定の解除/点検 |
| お湯が出ない | 湯切れ、凍結、給水元栓、混合弁の故障 | 湯量表示、季節、元栓 | 沸き増し/待つ/点検 |
| お湯がぬるい | 設定、湯切れの手前、サーミスタの故障 | 設定と湯量表示 | 設定変更/点検 |
| 運転音が大きくなった | 圧縮機・ファンモーターの劣化 | 以前と変わったか | 点検を依頼 |
| 水漏れしている | パッキン、逃し弁、タンク本体 | 漏れている箇所 | 点検を依頼 |
| エラーが繰り返し出る | 部品の劣化 | コードを控える | 点検を依頼 |
症状別の詳しい対処は、それぞれの記事にまとめています。
エコキュートが故障しやすい条件
同じ機種でも、環境と使い方で故障の頻度は変わります。
設置から何年で故障するのか
エコキュートの寿命は一般に10〜15年が目安とされますが、これはメーカーが公表している数値ではなく、部品保有期間や保証制度から導かれた経験則です。7年前後で不具合が出る例もあれば、20年近く動き続ける例もあります。
保証期間内であれば無償修理の対象になる可能性があるため、早期の不具合ほどまず保証書を探すことが重要です。
設置環境の影響
- 海岸に近い地域では、潮風により金属部やヒートポンプの熱交換器が腐食しやすい
- 寒冷地では凍結による配管の破損が起きやすい
- ヒートポンプの吸排気がふさがれていると効率が落ち、負荷が増える
水質の影響
井戸水や地下水の使用については、メーカーが条件を設けている場合があります。水質によっては保証の対象外となることもあるため、取扱説明書の使用条件を確認してください。
使い方の影響
- 必要以上に多い湯量設定は、沸き上げ回数を増やして部品への負担を大きくする
- 冬期にブレーカーを落とすと、凍結予防運転が働かず配管が破損する
- 長期不在時に取扱説明書の手順を踏まないと、内部に不具合が生じることがある
故障したときの連絡先と、伝えるべき情報
自分で確認しても復旧しない場合は、点検を依頼します。
連絡先の選び方
- 保証期間内:メーカー、または施工した業者(工事保証がある場合)
- 保証期間外:メーカーの修理受付センター、購入した販売店、給湯器の専門業者
保証が使えるのに有償で修理してしまうケースは少なくありません。連絡の前に、保証書と購入時の書類を探してください。
連絡時に伝える情報
- メーカー名と型番(貯湯タンク側面の銘板に記載)
- 設置年
- 症状(いつから、どのような状態か)
- エラーコードが出ていればその内容
- 自分で確認した項目と結果
とくに確認済みの項目を伝えると、診断の手戻りが減ります。表1のチェックリストを見ながら伝えると漏れがありません。
急いでいる場合
メーカーは訪問まで数日かかることがあり、冬季はさらに延びる傾向があります。即日・翌日の訪問を掲げる専門業者もあるため、お湯が使えない状況では複数の窓口に問い合わせるのが現実的です。
エコキュートの故障の修理費用の目安
メーカー2社が症状別の概算料金を公表しています。見積りが妥当かどうかの物差しになります。
メーカー公表の修理目安金額
| メーカー | 症状 | 修理目安金額(税込) | 想定される交換部品 |
|---|---|---|---|
| 三菱電機 | 電源が入らない(漏電遮断器動作など) | 16,500円〜48,400円 | ※落雷や複数部品交換では上限を超える場合あり |
| 三菱電機 | リモコンが点灯・表示しない | 27,500円〜49,500円 | — |
| 三菱電機 | お湯が沸かない・お湯が出ない | 18,700円〜66,000円 | 電気部品の交換で対応する場合 |
| 三菱電機 | 同上(冷媒回路の故障) | 73,700円〜188,100円 | ヒートポンプユニット内部 |
| 三菱電機 | 見積診断 | 6,490円〜9,680円 | — |
| ダイキン | リモコンで操作できない | 73,000円〜109,000円 | 浴室リモコン、台所リモコン 等 |
| ダイキン | お湯が沸かない | 49,000円〜69,000円 | 貯湯ユニット基板、ヒートポンプユニット基板 等 |
| ダイキン | 運転中ファンから異音がする | 37,000円〜52,000円 | ファン・プロペラファン、ファンモータ 等 |
出典:三菱電機「修理料金の目安<三菱エコキュート>」、ダイキン工業 よくあるご質問「修理目安金額>エコキュート」(いずれも確認日:2026年8月1日)。保証期間が終了した場合の出張修理金額の目安で、出張料・技術料(点検費含む)・部品代を含みます。メーカーに直接依頼する場合の金額です。
リモコンの交換は金額の幅が大きい
同じ「リモコンが使えない」でも、三菱電機は27,500円〜49,500円、ダイキンは73,000円〜109,000円と差があります。ダイキンは2012年〜2016年頃製造の機器では、状況によりすべてのリモコン交換が必要となり、最大で約10万円以上かかる可能性があると注記しています。
年式によって費用が変わるため、型番と製造年を伝えたうえで見積りを取ることが重要です。
点検だけでも費用が発生する
ダイキンは「サービスエンジニアが訪問して点検を行うと、その後お買い替え等で修理作業を行わなかった場合も出張料と点検費が発生する」と明記しています。三菱電機も見積診断料を6,490円〜9,680円と公表しています。
つまりメーカーに来てもらう時点で費用がかかります。一方、交換の見積りは無料で対応する事業者が多く、扱いが異なります。修理か交換かを迷っている段階なら、両方の見積りを取っておくと比較できます。
症状別の費用全般はエコキュートの修理費用|症状別の相場と修理か交換かの判断基準で整理しています。
保証が使えないか確認する
修理を依頼する前に必ず確認してください。
3種類の保証がある
| 保証の種類 | 対象 | 一般的な期間 |
|---|---|---|
| メーカー保証 | 機器そのものの不具合 | 本体1〜2年。タンクや冷媒回路は長めに設定される場合が多い |
| 延長保証 | 機器そのものの不具合 | 購入時に加入。最長10年程度 |
| 工事保証 | 施工に起因する不具合(漏水など) | 施工業者によって異なる |
原因によって使える保証が変わります。機器の不具合はメーカー保証、施工に起因する不具合は工事保証です。
保証書が見つからない場合
購入日や設置日が確認できれば対応してもらえる場合があります。施工業者に設置記録が残っていることもあるため、まず販売店・工事店に問い合わせてください。
落雷が原因なら火災保険が使える場合がある
落雷、台風、雪害といった自然災害が原因の故障は、加入している火災保険の補償対象になる場合があります。ただし経年劣化による故障は対象外とされるのが一般的で、適用の可否は保険会社と契約内容によって異なります。
申請には被害状況の写真と修理見積書が必要になることが多いため、修理前の撮影を忘れないでください。詳しくはエコキュートの水漏れ・故障に火災保険は使える?で整理しています。
修理と交換の分かれ目
修理費用の見積りが出たら、交換と比べて判断します。
1年あたりのコストで比べる
- 修理した場合:修理費用 ÷ 修理後に使えそうな年数
- 交換した場合:交換費用 ÷ 想定使用年数(10〜15年)
交換費用を45万円、想定使用年数を12年とすると、1年あたり約3万7,500円です。修理費用が15万円なら、修理後に4年以上もたなければ交換のほうが安い計算になります。
交換を軸に考えるべきケース
- 冷媒回路や圧縮機の故障と診断された
- 貯湯タンク本体からの水漏れがある
- 設置から13年以上が経過している
- 補修用性能部品の保有期間を過ぎている
- 同じ箇所の故障を繰り返している
補修用性能部品の保有期間は、主要メーカーで製造打ち切り後おおむね9〜11年です。起点は購入時ではなく製造打ち切り時のため、型落ち品を購入していた場合はさらに短くなります。詳しくはエコキュートの寿命は何年?耐用年数と交換時期の7つのサインをご覧ください。
交換の総額は、工事費・撤去処分費を含めて370Lクラスでおおよそ35万〜55万円、460Lクラスで40万〜65万円が目安です(相場・目安。機種と設置条件で変動します)。国の補助金が使える場合は、ここから自己負担が下がります。
故障のリスクを下げる・早期に気づく
完全には防げませんが、突然止まる事態を減らすことはできます。
冬に入る前の点検
- 配管の保温材・保温テープの破れを補修する
- 冬期はブレーカーを落とさない運用を家族で共有する
- 逃し弁と漏電遮断器の動作を確認する
冬季のトラブルの多くは、秋のうちの点検で防げます。
日常のメンテナンス
- 貯湯タンクの水抜き(年2回程度が目安。手順は取扱説明書に従う)
- 浴槽フィルターの清掃
- ヒートポンプの吸込口・吹出口の周囲を空けておく
予兆の段階で動く
完全に停止する前には、多くの場合に予兆が出ます。運転音が大きくなった、湯切れが増えた、エラーが時々出る、といった変化に気づいた時点で点検を受けておくと、お湯が使えない期間を作らずに済みます。
エコキュートの故障に関するよくある質問(FAQ)
まとめ|呼ぶ前に3点を確認する
エコキュートが動かないときの手順は次のとおりです。
- 漏電遮断器(分電盤と本体周辺の両方)を確認する
- リモコンのエラーコードを控える
- 給水元栓と逃し弁のレバーを確認する
- エラー表示がなければ表1のチェックリストを上から順に確認する
メーカーに点検を頼むと、修理しなくても出張料と点検費が発生します。呼ぶ前にこの手順を済ませておけば、電源まわりや設定が原因だった場合に無駄な出費を避けられます。
一方、ブレーカーが繰り返し落ちる、焦げたにおいがする、水漏れを伴う、という場合は自己判断で操作を続けず点検を依頼してください。冷媒回路の故障や設置から13年以上の場合は、修理費用が高額になりやすく交換と比べる場面です。交換の見積りは無料で対応する事業者が多いため、両方を取って比べるのが合理的です。


参照した出典一覧
| 出典 | 内容 | 確認日 |
|---|---|---|
| 三菱電機「修理料金の目安<三菱エコキュート>」 | 症状別の修理概算料金、見積診断料 | 2026年8月1日 |
| ダイキン工業 よくあるご質問「修理目安金額>エコキュート」 | 症状別の修理目安金額、リモコン交換の年式注記 | 2026年8月1日 |
| ダイキン・パナソニック・三菱電機・日立ほか 各社公式 | 補修用性能部品の保有期間 | 2026年8月1日 |
| 給湯省エネ2026事業 公式サイト | 交換時の補助金 | 2026年8月1日 |








